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日本の中小企業が海外進出する場合に確認すべきポイント
近時の日本では少子高齢化の進行が著しく、中長期的には国内市場は縮小傾向になることが予想されます。
そして、日本の中小企業の中には、海外の新興国など市場規模が拡大傾向にある海外へ進出したいと考えている企業も多いです。
そこで、以下では、日本の中小企業が海外進出する場合に確認すべきポイントについて解説します。
日本の中小企業が海外進出する際の課題
日本の中小企業が海外進出する場合の課題としては、令和6年3月に公表された独立行政法人中小企業基盤整備機構による「中小企業の海外展開に関する調査(2024年)」によれば、以下のようなものが挙げられています。
・海外事業に対応できる人材がいない(32.9%)
・為替変動リスクがある(32.9%)
・信頼できる現地パートナーがいない(31.9%)
このほかにも中小企業が海外進出する場合には、進出先の国の法制度や商慣習などの違いの調査の困難性なども課題として挙げられます。
海外進出する場合にはどのようなポイントを確認すべきか
上記の課題を踏まえ、日本の中小企業が海外進出する場合に確認すべきポイントとしては、場面ごとに以下のようなものが挙げられます。
①海外進出の目的・進出先・形態の決定
この場面におけるポイントとしては、海外進出の目的に応じて進出先の国や地域を決定することになりますが、このときその国や地域の経済成長率や政治体制等の変化によるカントリーリスク、材料費や人件費等のコストなど、諸要素を勘案して決定する必要があります。
また、進出形態は、現地の法制度などに照らして決定する必要があります。
上述の調査によれば、中小企業が海外進出する場合の形態は、直接輸出や直接投資、生産・販売委託の順に多く取られています。
さらに、海外では外国企業(日本企業の意)による単独出資が規制されている場合や許認可等を得る必要がある場合などがあり、現地の法制度の調査は不可欠です。
②現地でのパートナーの選択・決定
上述のように中小企業が海外進出する形態の多くは、現地でのパートナーがいることが多いです。
これは企業規模によるものと考えられますが、このときのポイントとしては、そのパートナーが信用に値するのか、双方がWin-Winの関係が構築できているかなど様々な点を考慮する必要があります。
③現地パートナーとの契約締結
契約締結段階のポイントとしては、契約書の形式や条項の内容が重要となってきます。
契約書の形式としては、自ら契約書のひな型を相手方に提示することによって契約交渉のインセンティブを握れたりするなどのメリットがあります。
これに対して、相手方から提示された場合には、内容についてきちんと精査した上で、自社に不利益になる条項について交渉し、将来的な紛争リスク等を軽減する必要があります。
また、契約当事者間で紛争が生じた場合にいずれの当事者の国の法律で解決するのかという準拠法の選択も重要です。
もっとも、国によっては進出先の国の法令の適用が強制される場合もあることに注意しましょう。
日本企業の海外進出は、岡かおりFORTUNA法律事務所にご相談ください
海外進出に関しては検討すべきポイントが数多くあり、上記で挙げた以外の事項に関しても考慮が必要です。
海外進出に関してお悩みの方は、岡かおりFORTUNA法律事務所までお気軽にご相談ください。